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標榜診療科名の変更について

和歌山県立医科大学 脳神経内科学講座 教授 伊東秀文先生が和歌山県医報第770 号「あとがき」に寄稿されたものです。

私の専門は脳神経内科ですが、どんな患者さんを診る科か、わかりにくいとよく言われます。昨年まで標榜科名として「神経内科」と名乗っていたので、精神科関連の「神経科」、「心療内科」、「神経精神科」などと紛らわしく、気分の変化(うつ病や躁病)や精神的な問題を扱う科と思われがちでした。

脳神経内科は、精神的な問題からではなく、脳や脊髄、末梢神経、筋肉に病気があり、体を動かしたり、感じたり、考えたりすることが上手にできなくなる病気を扱います。

症状としては、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、しびれる、めまい、頭痛、ひきつけ、ろれつが回りにくい、ものが二重にみえる、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。

これらの症状にはさまざまな原因疾患がありますが、内科系診療科は総じて鑑別診断が得意ですので、まずは脳神経内科にご紹介いただき、内科的に治療すべき疾患は脳神経内科で治療し、骨や関節の病気が原因なら整形外科に、手術などが必要なときは脳神経外科に、精神的なものは精神科に紹介させていただきます。眼科疾患や耳鼻科疾患などのこともありますし、神経疾患でなくても一向にかまいませんので、上記の症状で紹介先に迷われる場合は、どうぞご遠慮なく脳神経内科にご紹介ください。

名称については、欧米ではNeurology であり、そのまま訳すと「神経学」ですが、すでに「神経科」が精神科の別称として使用されていたことから、1975 年、当時の厚生省が神経疾患の診療を行う内科系分野として「神経内科」の標榜診療科名を認可しました。しかし、脳神経内科が扱う疾患は脳・神経・筋組織に器質的な病変があり、CT/MRI 、電気生理、生検などによって目に見える病変がある、という意味で脳神経外科と密接な関連があります。

そこで2018 年から、標榜科名を従来の「神経内科」から「脳神経内科」に変更することが決定されました。これは「脳神経外科」のカウンターパートとしての位置づけを明確にし、実践している診療内容をよりよく一般の方々にご理解いただくためのもので、厚労省にも変更を許可されました。現在、環境が整った施設から順次変更作業を進めているところですが、過渡期においては脳神経内科、脳内、神経内科、神内などの呼称が混在することになります。
しばらくの間ご容赦いただければ幸いです。

出典:伊東秀文『和歌山県医報第770 号あとがき』70 ページ和歌山県医師会2019.210 発行

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